「神馬がいる神社に行ってみたいけれど、どこに行けば会えるのだろう」
「東京でも生きた神馬を見られるのかな?」
と気になってる方も多いのではないでしょうか。
神社でよく見かける絵馬や馬の像は知っていても、実際に“神様の馬”として大切にされている神馬の姿を見たことがある人はまだ少数派です。
この記事では、まず神馬の意味や絵馬との関係をやさしく整理しつつ、東京で神馬のいる神社を中心に、全国の代表的な神馬ゆかりの社も紹介します。
あわせて、神馬に会いに行くときのマナーや、初めてでも楽しめるポイントもまとめました。
神馬がいる神社を探している方はもちろん、午年の開運参りや、馬好きのお子さんとお出かけしたい方にも役立つ内容になっています。
神馬とは?意味・由来・絵馬との関係
神様の乗り物としての「神馬」
神馬(しんめ/じんめ)とは、文字通り「神様の馬」のことです。
古代から日本では、馬は素早く遠くまで走ることから「人間の願いを神様のもとへ運んでくれる存在」と考えられ、神事や祈願の際に神前へ奉納されてきました。
雨乞いには黒い毛色の馬、晴天を願う時には白い馬を奉納するといった習わしも伝わっており、馬は単なる家畜ではなく、天候や五穀豊穣に関わる神聖な存在でした。
現在、神社にいる神馬には大きく分けて次のパターンがあります。
- 生きた馬を神馬として飼育している
- 木像・石像・銅像などの神馬像を祀っている
- 社殿や天井画に、馬の姿を描き残している
どれも「神様と人をつなぐ象徴」という意味は共通ですが、実際に生きた馬に会える場所を知りたい人が多いのが特徴です。
絵馬の起源と午年とのつながり
神社に必ずと言っていいほど並んでいる「絵馬」は、もともと本物の馬を奉納する代わりに、木の板に馬の絵を描いて奉げたことが始まりとされています。
実際の馬を献上し続けるのは負担が大きいため、「絵に描いた馬」が神様への祈りを託す象徴になっていきました。
干支の「午(うま)」も、もともとは時間や方角を示す記号でしたが、力強く走る馬のイメージと結びつき、「前進」「飛躍」「行動力」を象徴する年とされてきました。
そのため午年には、馬や神馬と縁のある神社が特に注目され、勝負運や金運アップを願う人々で賑わいます。
生きた神馬がいる神社はどれくらい珍しい?
全国で見ると、実はかなりレアな存在
日本全国には「馬にゆかりのある神社」は数多くありますが、このうち今も生きた神馬を常時飼育している神社はそれほど多くありません。
有名どころでは、三重県の多度大社の白馬「錦山号」や、伊勢神宮の内宮・外宮にいる皇室献上の神馬、京都の上賀茂神社、奈良の春日大社や大阪の住吉大社などが挙げられます。
さらに、神田明神や五方山熊野神社のように、都市部の境内でポニーを神馬として大切に飼育している例もあり、これらは「都会で本物の神馬に会える、かなり貴重な場所」です。
像や絵だけの神社も「馬の聖地」
一方、生馬ではなく、木像や絵馬・天井画などの形で馬が祀られている神社も数多く存在します。
京都・貴船神社のように、雨乞いと晴天祈願に奉納された馬の風習が起源となり、「絵馬発祥の地」とされる場所もありますし、拝殿の天井いっぱいに「日本馬乗史」が描かれている矢先稲荷神社のようなケースもあります。
「神馬がいる神社」というテーマでは、生きた神馬か、馬像か、絵馬か、どの形で馬が祀られているのかを意識して見ると、それぞれの社の特色が見えてきます。
神馬のいる神社【東京編】都内で本物の馬に会える場所
ここからは実際に生きた神馬に会える都内の神社を紹介します。
神田明神(千代田区):ポニーの神馬「あかりちゃん」がいる江戸総鎮守
秋葉原や御茶ノ水からほど近い「神田神社(神田明神)」は、江戸総鎮守として知られる歴史ある神社です。
ご祭神は大己貴命・少彦名命・平将門命で、縁結びや商売繁盛、勝負運のご利益を求めて多くの人が参拝します。
境内には神馬のポニー「神幸号(しんこうごう)」が暮らしており、「あかりちゃん」という愛称で親しまれています。2010年の神田祭の日に誕生した女の子で、普段は御神殿を正面に見て左側にある厩舎で過ごしています。
あかりちゃんはとても繊細な性格のため、正面からカメラを向けるとプレッシャーを感じてしまうこともあるそうです。実際、公式の案内でも「正面からのフラッシュ撮影は控えてほしい」といった注意がされることがあります。
境内を散歩している姿を見かけた時も、一定の距離を保ち、神職さんの誘導に従って静かに見守るのがマナーです。
※アクセス:JR・東京メトロ「御茶ノ水駅」「新御茶ノ水駅」から徒歩約5分、「秋葉原駅」から徒歩約7分。
東京の中心部で神馬に会える非常に貴重な神社なので、参拝とあわせて厩舎にもそっと足を運んでみてはいかがでしょうか。
五方山 熊野神社(葛飾区):3頭のポニーが暮らす安倍晴明ゆかりの社
葛飾区立石に鎮座する「五方山 熊野神社」は、平安時代の陰陽師・安倍晴明ゆかりの神社として知られ、方位除けや開運のご利益で人気のスポットです。
境内には、きらら・ちょこ・ばにらという3頭のポニーが神馬として暮らしています。神社に併設された熊野幼稚園の子どもたちとも触れ合いながら、参拝者の心を和ませる存在です。
神馬のいるエリアは安全が確保されるように配慮されており、タイミングが合えば、近くからポニーたちの様子を見ることができます。
SNSでは、神馬たちの近況や可愛らしい写真も発信されているので、訪問前にチェックしておくと当日のイメージが湧きやすいでしょう。
※アクセス:京成「青砥駅」から徒歩約10分。
方位除け・開運祈願とあわせて、家族でポニーに会いに行きたい人にぴったりの神社です。
立石熊野神社(葛飾区):幼稚園と厩舎が隣り合うユニークな神社
同じ葛飾区内には、立石熊野神社という、幼稚園と神社、その間に厩舎兼馬場があるユニークな神社もあります。
境内の一角に神馬の厩舎があり、園児たちが馬に親しみながら育つ環境が整えられているのが特徴です。
ここでも神馬たちは、地域の子どもたちにとって「友達」のような存在になっており、七五三などの節目の行事で馬に乗って記念撮影をすることもあります。
都内でここまで日常的に馬がそばにいる環境は珍しく、「神馬が生活の一部に溶け込んでいる神社」として覚えておくと面白いでしょう。
その他、馬と縁の深い都内の神社
生きた神馬はいなくても、都内には馬と縁の深い神社がいくつかあります。
- 矢先稲荷神社(台東区)
拝殿の格天井に、100枚もの馬の絵が描かれていることで有名です。「日本馬乗史」をテーマにした壮大な天井画で、馬と弓の歴史的な場面が描かれています。 - 千束八幡神社(大田区・洗足池八幡宮)
源頼朝の名馬「池月」にゆかりがある神社で、境内には池月の銅像も置かれています。立身出世・勝ち運を願う人に人気です。 - 馬橋稲荷神社(杉並区)
馬の名がついた神社で、馬が描かれた御朱印帳などもあります。午年には特に注目されるスポットです。
「神馬のいる神社 東京」という観点では、神田明神・五方山熊野神社・立石熊野神社が“生きた神馬に会える場所”として特におすすめですが、馬ゆかりの神社を含めて巡ると、より深く「馬と神社」の世界を味わえます。
神馬がいる全国の代表的な神社
ここからは、東京以外で生きた神馬や馬ゆかりの行事を楽しめる代表的な神社を、いくつかピックアップして紹介します。
伊勢神宮(内宮・外宮:御厩と皇室献上の神馬
三重県の伊勢神宮では、内宮・外宮それぞれに皇室から献上された神馬がいます。神馬は御厩にいて、毎月1日・11日・21日の朝には正宮に参拝する習わしがあります(天候や体調により変更・中止されることもあります)。
境内案内に「御厩」が示されているので、参拝のついでに立ち寄ってみるとよいでしょう。神馬が外に出ていない時間帯もあるため、確実に会いたい場合は事前に最新情報を確認しておくのがおすすめです。
多度大社(三重県桑名市):神馬舎と上げ馬神事
同じく三重県の多度大社は、「北伊勢の総氏神」として古くから信仰を集める神社です。
境内には神馬舎があり、白馬の神馬「錦山(にしきやま)号」が神様のお使いとして大切に飼育されています。
特に有名なのが、毎年5月に行われる「上げ馬神事」。若者が神馬に乗って急坂を駆け上がる勇壮な行事で、五穀豊穣や国家安泰を祈る伝統神事として知られています。
上賀茂神社(京都府):白馬奏覧神事と競馬会
京都・上賀茂神社(賀茂別雷神社)は、世界遺産にも登録されている京都最古の神社のひとつです。
ここでは、年の初めに「白馬奏覧神事」が行われ、神馬が神前でお披露目されます。白馬を見ると一年の邪気が祓われるという信仰があり、多くの参拝者で賑わいます。
また、5月には馬の速さを競う「競馬(くらべうま)」の神事も行われ、もともと乗馬発祥の地とされるほど、馬との関わりが深い神社です。
住吉大社(大阪府):道産子の神馬と白馬神事
大阪市の住吉大社は、全国の住吉神社の総本社です。
ここでは北海道和種(道産子)の神馬が白馬神事の際に境内に滞在し、1月7日の白馬神事や夏の住吉祭の時期には、神馬が境内を巡る姿を見ることができます。
白馬神事の日には、神馬を見ることで一年の無病息災が願えるとされ、馬に関わる御朱印やお守りも授与されています。
その他の“馬の聖地”たち
このほか、相馬野馬追の舞台となる相馬中村神社や、駒形信仰の総本社である陸中一宮・駒形神社、高千穂神社、鹿児島神宮など、各地に「馬の聖地」と呼べる神社があります。
旅行や帰省のついでに、近くの神馬・馬ゆかりの神社を一社加えてみると、その土地の歴史や信仰をより深く感じられるはずです。
神馬とご利益:どんな願い事と相性が良い?
神馬や馬ゆかりの神社は、どのような願い事と相性が良いのでしょうか。上位記事や神社の案内を踏まえると、次のようなテーマで参拝する人が多いと分かります。
勝負運・仕事運・チャレンジ運
馬は「速さ」「力強さ」「前進」の象徴です。
かつては戦や狩り、現在では競馬やスポーツなど、勝負の場面と結びつくことが多いため、
- 受験や資格試験
- 就職・転職・独立
- スポーツやビジネスの勝負どころ
といった「ここ一番」の場面に向けて、馬ゆかりの神社で勝負運アップを願う人が少なくありません。
特に午年は、こうした挑戦の後押しを期待して参拝する人が増える傾向があります。
交通安全・旅の安全
歴史的に、馬は人や荷物を運ぶ重要な交通手段でした。
そのため、現代では自動車や鉄道・飛行機などに置き換わったものの、「移動の安全」を願う意味で馬ゆかりの神社へ参拝する人も多いです。
通勤・通学の安全や、長距離ドライブ・旅行前の祈願として、神馬や馬の絵馬に願いを託すのも良いでしょう。
午年・節目の年に参拝する意味
十二支の中でも「午」は、勢いよく物事が進む象徴とされます。
午年や、自分の干支が午の人にとっては、人生の節目となる年に馬ゆかりの神社を訪れることで、「一歩前に踏み出す決意」を形にしやすくなります。
もちろん、午年以外でも参拝する価値は十分にあります。
神馬の力強い姿や、馬の絵が並ぶ絵馬所を眺めるだけでも、「今年は少しチャレンジしてみよう」という前向きな気持ちが湧いてくるはずです。
神馬に会いに行く前に知っておきたいマナーと準備
せっかく神馬がいる神社へ行くなら、馬にも周囲の人にも負担をかけないよう、基本的なマナーを押さえておきたいところです。
神馬と接するときの基本マナー
初めて神馬に会うときは、次のポイントを意識すると安心です。
- 大きな声を出したり、急に走って近づいたりしない
- フラッシュ撮影や、極端に近い位置からの撮影は避ける(神社の案内に従う)
- 神職さんやスタッフに許可されていない限り、勝手に触らない・えさを与えない
- 柵やロープの内側には入らない
- 小さな子ども連れの場合は、特に目を離さない
神馬はとても敏感な生き物で、ちょっとした物音や動きで驚いてしまうことがあります。
神様のお使いであり、神社にとって大切な存在だからこそ、「静かに・少し離れて見守る」くらいの気持ちで接するのがおすすめです。
事前にチェックしておきたい情報
生きた神馬がいる神社では、神馬の体調や天候によって、姿を見られない日や時間帯もあります。
訪問前に、次のような情報を公式サイトやSNSで確認しておくと安心です。
- 神馬が公開されている時間帯(散歩の時間、厩舎にいる時間など)
- 神馬が参加する行事・神事の日程
- 写真撮影や差し入れに関する注意事項
- 当日の天候や混雑予想(初詣・七五三シーズンなど)
特に神田明神や五方山熊野神社のように、SNSで神馬の近況を発信している神社では、「その日会えるかどうか」のヒントが得られることもあります。
東京近郊・初心者向けモデルコースの一例
神馬に初めて会いに行くなら、交通アクセスが良く、周辺に観光スポットも多いエリアから始めると楽しみやすくなります。
例えば、次のような半日コースも組みやすいでしょう。
- 午前:御茶ノ水〜秋葉原エリアで神田明神を参拝し、神馬あかりちゃんの厩舎を見学
- ランチ:秋葉原周辺で食事・買い物
- 午後:京成線で葛飾区・青砥へ移動し、五方山熊野神社で3頭のポニーに会う
移動時間も比較的短く、都内在住の方はもちろん、東京観光と合わせて「神馬めぐり」を楽しみたい人にも向いています。
【まとめ】神馬とのご縁を、一歩前に進む力に変える
神馬がいる神社は、日本全国を見渡してもそれほど多くはありません。
その中でも、東京で生きた神馬に会える神社としては、神田明神・五方山熊野神社・立石熊野神社が特に貴重な存在です。
この記事では、
- 神馬とは何か、絵馬との関係
- 生きた神馬がいる神社と、馬ゆかりの神社の違い
- 神馬のいる神社【東京編】と全国の代表的な神馬スポット
- 神馬と相性の良いご利益(勝負運・交通安全など)
- 神馬に会いに行くときのマナーと、事前にチェックしたい情報
といったポイントをまとめて紹介しました。
午年に限らず、何か新しいことに挑戦したい時や、人生の節目を迎えた時に、神馬がいる神社を訪れてみるのはおすすめです。
力強くも優しい神馬の姿や、馬の絵が並ぶ絵馬所を前にすると、「もう少し頑張ってみよう」「一歩だけ前に出てみよう」という気持ちが自然と湧いてくるはずです。
次のお休みには、東京で神馬のいる神社を巡る小さな旅を計画してみてはいかがでしょうか。
静かに神馬を見守りながら、自分の「これから」に向けた願いをそっと託してみてください。

